日本と経済と国際 3
ある米系企業の話ですが、同社の日本支社にいたマネジャーが日本の同業他社にスカウトされました。
このマネジャーは年明けからスカウト先に移るため年末付けで米系企業を退職することにしましたが、有給休暇が二十日残っているので12月初旬まで出社して引き継ぎを終わり、そのあと休暇をとることにしていました。
ところが十日前に後任者への引き継ぎが終わった途端、会社側は〈以後出勤に及ぼず、事務室内への立入りも禁ず〉ということで、12月末日付けの辞令とともに退職金などの諸清算手続きを行い、夕方総務担当マネジャー立会いの下に私物をまとめて机の引き渡しを要求されました。
米国企業のフィロソフィやピヘイピアをよく承知しているはずのこの日本人マネジャーもあまりにドライな会社側の仕打ちに一瞬呆然とした由。
ことほど左様に外国企業は、社員の忠誠心や帰属意識を信用していません。
まして辞めると決まった人間は企業にマイナスの動きこそすれ、プラスになることはないときめつけています。
むしろ辞める際に企業秘密や技術、ノウハウなどを持ち出し、次の会社へ引き渡すものと決めてかかっています。
こうなると日頃からも企業秘密に接触させることは極度に制限される。
よほど会社側から信頼されていないと、重要会議などにはだしてもらえません。