世界の技術 その9

半導体は、医療器具や産業用ロボットからバイオテクノロジーや宇宙旅行にいたるほとんどすべての新しいテクノロジーにとって非常に重要な製品です。


従って、この分野でのアメリカのリードは、ソフトウエアにおけるアメリカの優勢とあいまって、今後この国に世界経済の中心的位置を与えるものと思われる。


しかし、この産業の指導的な地位にある経営者のなかには将来を懸念する者がいます。


彼らは微小なシリコンの城を十年にわたって築いてきた。


どの城もかつての城より幅広い門や階段を構え、多様な入口の数、廊下や部屋の数も増え、貯蔵室はさらに広く、複雑な迷路も増えました。


しかも彼らはいまだに浜辺にいて、例によってその控えめな言葉を借りれば、〈砂を吸込み、チップを吐出す〉ことが楽しくて、それを誇りに思っています。


しかし記録的な売上げにもかかわらず、ここ数年、無敵を誇ったムードはいつしか崩れ出し、彼らは心配げに迫りくる嵐を見張っています。

世界の技術 その8

アメリカの半導体産業は戦後経済の最大の成功物語として、日本経済全体の成長に比肩しうるものであり、なかんずくチップの技術的躍進はますます経済にとって重要な意味を持つものとなっています。


エコノミストは時代をGNPその他の集合的な指数の動きによって判断しようとしがちです。


しかし、歴史は蒸気欝時代とか原子力時代とか、その時代の支配的な製品や技術によって呼ばれることが多く、その尺度に従えぼ、現代はマイクロチップ時代ということになる。

世界の技術 その7

日本企業は能率のよいエレクトロニクス製品を製造し世界をリードしているといわれます。


しかしアメリカは1983年、コンピューターの世界市場の75パーセントを確保していました。


最も複雑なチップである集薔路でも日本はめざましい実績を挙げています。


しかしその市場においても1983年のアメリカの占有率は、6年前の72パーセントよりは下がったが、それでも68パーセントを保っていました。


この期間に日本の占有率は19パーセントからわずかに上がって24パーセントになっただけであり、ヨーロッパの占有率は9パーセントから7パーセントと下がっています。

世界の技術 その6

情報関係労働者は15年間に42パーセントから56パーセントに増えました。


従来、情報関係労働者一人あたりの投資額は製造業労働者一人あたりの水準の3分の1だったが、それからわずか7パーセント低い水準にまで追いついた。


皮肉なことに、この先端技術の応用におけるアメリカのリードは、また先端技術の輸入を増加させることになった。


輸入のほとんどは、アメリカの設計を元にしたコンポーネントと周辺機器だったのです。


これがアメリカの技術的立遅れの徴候と見誤られたのです。


コンピューターやチップなどのハードウエアの製造でも、アメリカはその優位さを失ってはいません。

世界の技術 その5

1983年、1984年の景気回復とともに、経済再生の口火となった生産者用耐久財の売上げは急上昇し、従来の景気回復の平均初年度のペースの4倍で増加しました。


実質的に年率18・7パーセントの上昇であり、先端技術がその急先鋒となりました。


1977年まで資本設備に占める割合が20パーセント以下だったコンピューターとその関連製品は、生産者用耐久財全体の3分の1以上に増えました。


情報産業における一労働者あたりの先端技術資本金は1978年以後28パーセント増え、コンピューターでは2倍以上の増加をとげ1983年を通じまた1984年に入っても前進をつづけました。

世界の技術 その4

ソフトウエァ企業家の仕事が激増して新しく数千の企業が生まれたが、その結果、アメリカは1984年にはこの分野で最も近いライバルである日本の約4倍のソフトウエア、8倍ものソフトウエア.エンジニアと、20倍と見込まれるソフトウエア企業家を抱えることになりました。


このソフトウエアにおけるリードの結果、アメリカは新しいコンピューター技術の応用の面でも決定的にリードを広げることになった。


たとえば1981年から1983年半ばにかけて、そのほとんどをコンピューターで占める情報機器のアメリカでの購入台数は33パーセント増加した。


一方、日本とヨーロッパはそれよりはるかに低い以前の水準にくらべ約22パーセントしか増加していません。

世界の技術 その3

この新しい時代は圧倒的にアメリカの時代であり、革命は主にアメリカで起こっています。


革新的なテクノロジーのほとんどはアメリカで生まれたものであるばかりでなく、その利用についてもアメリカは今なおリードの幅を広げつづけています。


コンピューターを作るにはチップが必要だが、それを有用な仕事に適用するためにはソフトウエアが必要だ。


ソフトウエアのないコンピューターはレコードのないレコードプレーヤーあるいはプログラムのないテレビジョンのようなものです。

世界の技術 その2

質量とはつまりエネルギーや材料などであり、情報はすなわち有用性、機能性、ソフトウエア、知的能力、精巧さ、耐久性です。


このように企業家経済は、技術革命が進行しまた知識時代あるいは情報産業時代とも称される時代に入ろうとしています。


コンピューターの価格について政府の犯した大きな失敗は、こうした状況下では、経済の成長、資本の蓄積、生産性、あるいはインフレーションを測定するのは本来むりなことだということを暴露し、如実に示しています。


現実の経済でアメリカが大きな勝利を収めているにもかかわらず、それが広く一般に知られていないのは、このような経済についての理解の不足が原因です。

衰退

自動車の排気ガスがもたらす都市公害を別にしても、自動車道沿いに散開し始めた大規模店舗は、それまで集積されていた都心のあらゆる施設を空洞化し都市の衰退をひき起こしています。


ニュータウンの建設も慎重にする必要があります。


宮本教授の報告は、この点について、新しい問題提起をなし、討議の方向を決定づけています。


パリのように、都心に文化財がひしめいているところでは、賃貸 新宿の衰退はいっそう深刻です。


特に、パリの中心から低所得層が退散し、都市から活力が減退することを憂えたグラネル教授の指摘は改めて問題の本質を浮きぼりにした。


総じていえることは、都市の活力なるものが、都市の「個性」に依存するということです。


形成外科は、単一のモデルで美人を創り出すおそれがあります。


鼻は高ければよいというわけではないと思う。


「個性」をどう生かすか。


財政や環境についての政策を掘り下げる必要があります。


リハビリテーションという内科的方法の重視が強調されました。

世界の技術 その1

アメリカの資本設備やテレビの購入は以前より次第に減少しています。


しかし数は少なくなってもこれらの資本設備から生みだされる見返りは増え、適応力は増し、品質は高まった。


またテレビは計数化の進んだシステムのなかにいっそうすぐれた特色が組込まれるようになった。


ポール・ホーケンはその著書『来るべき経済』のなかで、1970年代初めの工魯ネルギー危機以後のアメリカのシステムにみられる支配的な傾向は、生産される財とサービスのなかで質量に対する情報の比率が変化しつづけていることだと述べています。

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